胴よりは足の長い女 [December 21, 2005]
2005年 12月 21日
ちくま文庫に最近入ったのを機に、樋口一葉を数十年ぶりに読み直している。ちくま文庫の三冊のタイトルは以下の通り。
『樋口一葉 小説集』 (菅聡子編)
『樋口一葉 日記・書簡集』 (関礼子編)
『樋口一葉 和歌集』 (今井恵子編)
『小説集』 と 『日記・書簡集』 は、『明治の文学 17 樋口一葉』 (坪内祐三・中野翠編、筑摩書房、2000年) を再編集したもので、脚注がとても便利で読みやすい。特に小説を読むと、やはり一葉は天才だったのだなあと納得せざるを得ない。
どうでもよいことだが、亡くなる前年の1895年に発表された小説 「ゆく雲」 の一節を、引用しておこう。主人公が心ならずも結婚せざるを得ない田舎娘を、その手跡を見た下宿先の内儀が想像する部分である。
……此処の内儀が目の前にうかびたる形は、横巾ひろく長つまりし顔に、目鼻だちはまづくもあるまじけれど、鬢うすくして首筋くつきりとせず、胴よりは足の長い女とおぼゆると言ふ……
当時は 「胴よりは足の長い」 のは欠点だったわけだ! 時代が変れば美意識も変化するということだろう。まあ、たしかにあまり足が長すぎる人が和服を着ると、かなり違和感があるけれど……。
『樋口一葉 小説集』 (菅聡子編)
『樋口一葉 日記・書簡集』 (関礼子編)
『樋口一葉 和歌集』 (今井恵子編)
『小説集』 と 『日記・書簡集』 は、『明治の文学 17 樋口一葉』 (坪内祐三・中野翠編、筑摩書房、2000年) を再編集したもので、脚注がとても便利で読みやすい。特に小説を読むと、やはり一葉は天才だったのだなあと納得せざるを得ない。
どうでもよいことだが、亡くなる前年の1895年に発表された小説 「ゆく雲」 の一節を、引用しておこう。主人公が心ならずも結婚せざるを得ない田舎娘を、その手跡を見た下宿先の内儀が想像する部分である。
……此処の内儀が目の前にうかびたる形は、横巾ひろく長つまりし顔に、目鼻だちはまづくもあるまじけれど、鬢うすくして首筋くつきりとせず、胴よりは足の長い女とおぼゆると言ふ……
当時は 「胴よりは足の長い」 のは欠点だったわけだ! 時代が変れば美意識も変化するということだろう。まあ、たしかにあまり足が長すぎる人が和服を着ると、かなり違和感があるけれど……。
by yowatarijouzu
| 2005-12-21 23:59